考え方を変える:あがり症 克服 仕方

考え方を変えてあがり症を克服する

あがり症を克服するためには、その人の考え方自体を変えていく必要もあると思います。
ものの見方を変える訓練は認知療法とも呼ばれ、あがり症の克服に有効な訓練法であると言われています。
この訓練は、あがってしまうという社会不安を感じる人の認知、つまりものの見方を改善する訓練です。

あがり症の原因は、他人の評価を必要以上に恐れるところにあります。
例えば「店のレジで商品を購入する」とか「マンションの住人とエレベータ内で雑談を交わす」などの行動があります。
他の人にとっては、ごく当たり前の行動であっても、あがり症の人達にとっては緊張してしまう行動であるようです。
あがり症という社会不安を抱え込んでしまっている人は、こんな時でさえ他人に評価されていると感じてしまうのです。
加えて、あがり症の人は苦手な状況に置かれた時の自分の不自然な行動や消極的な考え方、身体反応などにも過剰に意識を集中させてしまうようです。
手が震えていることを気づかれたらどうしようとか、自分の考え方を見透かされたらどうしようなどと考えてしまうのです。

しかし、ほとんどの場合、これらはあがり症の人が勝手に思い込んでいることに過ぎません。
認知療法ではこうした思い込みを改善して修正する目的で訓練していきます。

あがり症の人は悩ませているものは、物自体ではなく、物事の考え方にあるのです。
そのため、あがり症を克服するためには、物事の考え方を変えなくてはなりません。

あがり症を克服するための考え方

あがり症である人は、自分に対しての目標が非常に高いものであることが多いようです。
自分に対して多くのことを求め、自分に対して厳しすぎる傾向にあるのです。
あがり症でない人のように「みんなに好かれなくてもいいではないか」とか「完璧に物事をこなさなくてもいいではないか」と考えることがなかなかできません。
さらに、あがり症の人はネガティブな思考をしてしまいがちです。
例えば、人前で話しをする時には何か気の利いたことを言わなければならない、と考えてしまいます。
さらに、自分が不安に感じていること自体を他人に知られてはいけない、とも考えています。

このような考え方が極端にナンセンスでネガティブであるということを感じなくては、あがり症の克服はできません。
これらの考えから開放されることで、はじめてあがり症を克服できるのです。

例えば、会話が途切れたり、つまらない話をしてしまったりしても「しょうがないこと」と考えてみてください。
お笑いタレントでもないのですから、会話が面白くなくて途切れてしまうことは誰にでもあるのです。
緊張していることが相手に伝わっても、軽蔑する人なんてまずいません。

自分に対する要求もほどほどにしましょう。
自分に対しての要求はたまには甘くてもいいのです。
あがってしまうような状況では「適当でいいじゃないか、肩の力を抜いてゆっくり行こう」と考えてみてください。
緊張していること自体、ばかばかしく思えてくるかもしれません。

あがり症を克服するために誤った考えを矯正する

あがり症に悩む人は自分自身に起きたことに対して間違った解釈をしてしまう傾向にあるようです。
誤った考えには次のようなものがあります。
自分の不安であると感じていることを、目の前にいる人に簡単に見透かされてしまう。
とか、他人が自分に対して「緊張しているなんて能力が低いからだ」とネガティブな評価を下すに違いない。
とか、他人にネガティブな評価をされることは大変なことで取り返しのつかないことだ、などです。

しかし、目の前にいる人はそのようなことは考えていません。
あがり症である人の感じている不安は、目の前にいる人に気づかれるとは限りません。
もちろん、緊張している心臓のドキドキ音は聞こえませんし、手が震えているのも簡単には気づかれはしません。
会話が途切れたり、身体が硬直して動かなくなったりしまわない限り、他人に気づかれないのが普通であると考えるべきでしょう。

仮に緊張していることが目の前にいる人に見透かされたとしても「感受性が豊かな人である」と好意的に受け止めてくれる可能性もあります。
万が一、ネガティブに評価されたとしても、それは決して取り返しのつかないようなことではなく、一大事ではありません。
世界中を見回しても、万人から高い評価を受け、ネガティブな評価をされない人は誰一人としていないのです。

あがり症を克服するには誤った考え方を矯正する必要があります。
反対の言い方をすれば、考え方を矯正できれば、あがり症はすぐにでも克服できるでしょう。