エクスポージャー法:あがり症 克服 仕方

エクスポージャー法であがり症を克服するその1

エクスポージャー法であがり症を克服するためには、まず問題点をはっきりさせることが大切になってきます。
自分がどのような状況に置かれるとあがってしまうのか、といことを整理することが、あがり症の克服への第一歩となるのです。

例えば、ひどく散らかった家があるとして、その家を片付けなくてはならないとします。
この家をどうにかして片付けなければならない、という対象として見ている限り、どのように手をつけていいのか分からず途方にくれてしまいます。
しかし、この部屋から片付けてしまおうとか、このあたりから手をつけようなどと、問題点を分割してとらえることができれば、効率的に家を片付けることができるでしょう。
あがり症の克服についても同じことが言えるようです。

あがり症の人が治療を受ける際、自分の問題を上手に説明できなくて途方にくれてしまう人が多いようです。
「とってもあがり症なのです」と言われても、治療者はどこから手を付けていいのか分かりません。
「あがり症なのです」ではなく、「いつ、どこで、誰と、何をしている時に」あがってしまうのか、問題点を整理することから始まります。

そして、自分がどのような状況に置かれるとあがってしまうのか、感じる不安の強さの順にリストアップしていきます。
嫌でも何とか立ち向かうことのできる状況はどれか、いつも必ず避けてしまうほど不安の大きい状況はどれか、ということを整理していきます。
これらの作業はエクスポージャー法を実践する前段階の重要な作業となります。

エクスポージャー法であがり症を克服するその2

エクスポージャー法の前段階の準備において、問題点をはっきりさせて難易度順に並べ替えることは、あがり症の克服への第一歩となります。
この時、大切なことがあります。
不安を感じてしまう状況について、細かいことまで正確に記録しておくことが重要です。
例えば、不安を感じてしまう相手の身分や性別、年齢、事前に予想がつく状況かどうか、何人くらいを相手に話しをする時かどうか、などです。
これらのことは、本人のあがり症の度合いを左右する大きな要素となるからです。

エクスポージャー法の実践は、難易度順に並べられた事項について、易しいことから克服していきます。
易しい事項については比較的簡単にクリアできると思います。
しかし、本人が長期間にわたって避けていた状況や、過去に一度も遭遇したことのない困難な状況については、克服するまでに長時間かかります。

エクスポージャー法の最大の目的は、あがってしまう状況を克服し、本人に自信をつけさせることにあります。
そのため、同じような状況について、1度だけでなく何度も繰り返し行うことが大切になってきます。
不安を感じる状況を克服するたびに、難易度を1ランクアップしていきます。
この時、これまでの不安が半減するくらいまでになったら、ランクアップしていきましょう。
あまり早い段階で難易度を上げてしまうと、効果は半減してしまいます。
あがり症の克服には長時間かかることを考慮しながら、取り組んでいきましょう。

エクスポージャー法であがり症を克服するその3

エクスポージャー法であがり症の克服に取り組む際、エクスポージャーを行った後は、その結果を細かく評価することが大切になってきます。
結果を細かく評価して、あがり症を段階に分けて克服していくのです。
この時、最初の目標を決して高くしすぎず、段階的に上げていくことが重要になってきます。

例えば、人前に出て話をすることがまったくできない人に対して「十分間落ち着いて冗談交じりに話をすること」という目標を設定することには無理があります。
あがり症に悩む人が、自分のエクスポージャーの結果を低く評価してしまい、さらに自信を失ってしまうことにもなりかねません。
このような場合、最初の目標は「小さな声でも構わないから質問してみる」とか「他人の意見に対して賛成の意思を上手に示す」ということぐらいが妥当でしょう。
この時点では、内容はどうであれ実際に人前で話ができたかどうか、ということが重要になってくるからです。
このような経験を積み重ねることによってあがり症に対する不安が少しずつ和らいでいくことでしょう。
落ち着いて話ができるようになるには、もっと経験を積んでから、段階的に挑戦していきます。

長い時間をかけて最初に設定した目標が達成できる頃になると、目標で設定した以外のことについても自発的にエクスポージャーできるようになってきます。
このようになればしめたものです。
飛躍的にあがり症の症状は克服され、人前に出て話をすることにも抵抗が無くなってくるはずです。